今回は、参考文献として、チャイナ・ウォッチャーの宇田川敬介氏の「本当は共産党が嫌いな中国人」PHP 新書をたたき台としました。
宇田川氏は、有名な中国ウォッチャーの、宮崎正弘先生、黄文雄先生、石平氏ほど、知られていませんが、ユニークな「中国観」を持つ人です。
マイカルの元社員で、マイカル大連支店に勤続し、共産党の要人や、人民解放軍の幹部、中国企業の経営者、庶民に至るまで幅広い人脈を作りました。
マイカル倒産後は、中国人脈を活かした情報収集で健筆をふるっています。
彼の凄いところは、2012年の「尖閣国有化」で、中国漁船団が、尖閣水域に殺到して、我が国を震撼させた時、
いち早く「2014年 中国は崩壊する」2012年9月1日発行。と言う著書を出したことです。
購読しました。内容は、緻密な論理の組み立てと言うよりも、著者の豊富な人脈を生かしての、「直感」という印象を受けました。
予測が当たっているか否かは、「崩壊」の定義によるでしょうが、中国経済については2014年で私は当たっていると思います。
≪国防意識の無い人民解放軍幹部達≫
宇田川氏のインタビューに答える軍幹部達
宇「日中間に戦争が起きたらどうしますか?」
幹部「私は、真っ先に軍服を脱ぎます」
宇「何故ですか」
幹部「私は、戦争をするために、軍人になったのではありません。商売するために軍人になったのです。」
≪人民解放軍の「商社機能」≫
幹部「軍隊は儲かる。特に保利大厦(パオリータイシャ)や、海利大厦(ハイリータイシャ)は、外資系の商社よりはるかに給料が良いし
特権も多い。その二つの商社に入るためには軍隊に入らなければならないから軍隊にいるのだ。それなのに、こんなに重い銃を持たされて
毎日立たされて嫌になる」
保利大厦(パオリータイシャ)は陸軍の持つ総合商社です。
海利大厦(ハイリータイシャ)は海軍の持つ総合商社です。
元々は、陸海軍の装備品や日用品の買い付けを行っていたが徐々に巨大化していきました。日本だと三井物産や三菱商事と言ったところでしょうか。
≪人民解放軍と言う「巨大物流会社」≫
中国は、「統治上の問題」から、省をまたいだ物資の輸送は、「民間会社」には許可しません。
従って、輸送・物流の利権は全て、保利大厦(パオリータイシャ)と海利大厦(ハイリータイシャ)の独占事業になるのです。
日本で言えば、日通と佐川急便とヤマト運輸が一緒になった感じでしょうか。
例えば、湖北省から河南省に輸送するときは、陸軍の保利大厦(パオリータイシャ)が、また、日本の瀬戸内海より大きい長江(揚子江)
の河口(橋が架かっていない)を渡って輸送するときは海利大厦(ハイリータイシャ)が、海軍の輸送船を使って物資を運びます。特に海外に輸出する際は
「外交権」さえ持ちます。総合商社と言うより「一つの国家」です。
≪金儲けと言う不純な動機で入隊する兵士たち≫
2大総合商社で、巨利を貪りたい為に、入隊し、商社に天下れない「通信隊」に配属された兵士は愚痴のオンパレードです。
宇「釣魚島(尖閣諸島)で、日中戦争が起きたらどうしますか?」
幹部「冗談じゃない、あんな無人島で、戦争なんか起こしてほしくない、我々が儲かるわけではないし、こんなことで命を落としたくない。
私は、日中戦争が始まったら除隊しようと思っている。私と同じ考えを持つ人は多数いますよ。
≪日米中の軍事力を現実的にみる軍幹部と習近平への不信≫
幹部「習近平は、軍の経験が無いから、何もわかっていない。日本やアメリカと戦って勝てると本気で思っているのか?
日米と戦って戦意を失わない、「気合」の入った兵士がいないから、勝てるはずがない。」
≪人民解放軍は、国防軍ではない、共産党の私兵=軍閥である≫
【人民解放軍の定義】
★国家・国民ではなく、「共産党を守ることが「絶対使命」の「私的軍隊」=「軍閥」である。
人民解放軍の義務には、「国家」と「中国国民」を守る義務は一切ありません。
★逆に、国家主席から、「何省の住民10万人をすべて殺せ」と命じられたら、逆らえず、躊躇なく殺戮するしかありません。
それが、顕著に現れたのが、1989年、民主化運動家を冷酷無残に殺戮した有名な「天安門事件」です。
≪中国国民を躊躇なく殺せるようにする人民解放軍の人事配置≫
①入隊すると、兵営(新兵寮)に入れられますが、同室の新兵は、必ず出身省の異なる人間同士にします。
例えば広東省出身の新兵は、決して同郷の新兵と同室になることは無いのです。
②自分の故郷の軍区に配属、又は、転属することは絶対にない。
例えば、広東省で、過激な反政府デモが起き、5万人の暴徒が発生したとしましょう。この広東省の兵士には、親戚もいて
同じ広東語を話す、同郷人たちを無慈悲に殺害することができないでしょう。
その為、反政府暴動を武力鎮圧するのに、躊躇させない為、例えば広東省には、縁もゆかりもない甘粛省出身の兵士を駐在させるのです。
≪共産党体制になっても貫かれる「軍閥」の歴史≫
清朝末期以降、中華帝国には「国防軍」と言うのは有りませんでした。
衰えた清朝皇帝を支配したのは「軍閥」の頭目でした。あの西大后ですら、当時の実力者で自前の軍閥を持っていた李鴻章を意のままに操ることはできませんでした。
「軍閥」=私的軍隊と覚えてください。
李鴻章とは、清朝の実力者で、日本と日清戦争を戦った相手でした。
李は、自前の財産で、兵士を募集し、武器を揃えました。これを「北洋軍閥」と言います。
ですから、日本が輝かしい勝利を収めた日清戦争は、実は「北洋軍閥」が相手でした。
清朝末期から、清朝滅亡、日中戦争から終戦まで、日本陸軍が大陸で戦った相手は、蒋介石の国民党軍も含めて全て「軍閥」でした。
そして、中国軍より兵員の少ない、「支那派遣軍」は数多くの戦闘で、一度も負けずに終戦を迎えたのでした。
そして、国共内戦で毛沢東が中国全土を支配してきた今も、共産党幹部を守る人民解放軍は「軍閥」でしかありません。
「自分の家族や故郷を命がけで守る」と言う気迫の無い、軍隊が本当に強いでしょうか?
「金儲け」が動機で入隊した兵隊たちが、「利益の無い戦争」で命がけで戦うでしょうか?
★核を持っているとはいえ、「発射ボタン」を推すのは、各爆弾投下後の国際世論の反発を考えるとそう簡単に推せません。
≪台湾海峡問題≫
親日国台湾、在日台湾人の方。台湾本土の方。皆口をそろえて「台湾海峡」を挟んだ、中国福建省には、照準を絞った2千発のミサイルが有ると
心配していますが、宮崎正弘氏が、調査した結果、この2千発のミサイルは皆「型」にセメントを流し込んだ「見世物」だそうです。
≪結論≫
そもそも入隊の動機が「金儲け」で、日米と戦争になったら、口々に「除隊する」と言い切る軍幹部達。「国も国民」も守る意志の無い軍隊。
人民解放軍は「習近平打倒クーデター」は起こせても、対日戦争はできない「赤い張子の虎」ではないでしょうか?
続く
*写真は日清戦争の軍閥の李鴻章
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宇田川氏は、有名な中国ウォッチャーの、宮崎正弘先生、黄文雄先生、石平氏ほど、知られていませんが、ユニークな「中国観」を持つ人です。
マイカルの元社員で、マイカル大連支店に勤続し、共産党の要人や、人民解放軍の幹部、中国企業の経営者、庶民に至るまで幅広い人脈を作りました。
マイカル倒産後は、中国人脈を活かした情報収集で健筆をふるっています。
彼の凄いところは、2012年の「尖閣国有化」で、中国漁船団が、尖閣水域に殺到して、我が国を震撼させた時、
いち早く「2014年 中国は崩壊する」2012年9月1日発行。と言う著書を出したことです。
購読しました。内容は、緻密な論理の組み立てと言うよりも、著者の豊富な人脈を生かしての、「直感」という印象を受けました。
予測が当たっているか否かは、「崩壊」の定義によるでしょうが、中国経済については2014年で私は当たっていると思います。
≪国防意識の無い人民解放軍幹部達≫
宇田川氏のインタビューに答える軍幹部達
宇「日中間に戦争が起きたらどうしますか?」
幹部「私は、真っ先に軍服を脱ぎます」
宇「何故ですか」
幹部「私は、戦争をするために、軍人になったのではありません。商売するために軍人になったのです。」
≪人民解放軍の「商社機能」≫
幹部「軍隊は儲かる。特に保利大厦(パオリータイシャ)や、海利大厦(ハイリータイシャ)は、外資系の商社よりはるかに給料が良いし
特権も多い。その二つの商社に入るためには軍隊に入らなければならないから軍隊にいるのだ。それなのに、こんなに重い銃を持たされて
毎日立たされて嫌になる」
保利大厦(パオリータイシャ)は陸軍の持つ総合商社です。
海利大厦(ハイリータイシャ)は海軍の持つ総合商社です。
元々は、陸海軍の装備品や日用品の買い付けを行っていたが徐々に巨大化していきました。日本だと三井物産や三菱商事と言ったところでしょうか。
≪人民解放軍と言う「巨大物流会社」≫
中国は、「統治上の問題」から、省をまたいだ物資の輸送は、「民間会社」には許可しません。
従って、輸送・物流の利権は全て、保利大厦(パオリータイシャ)と海利大厦(ハイリータイシャ)の独占事業になるのです。
日本で言えば、日通と佐川急便とヤマト運輸が一緒になった感じでしょうか。
例えば、湖北省から河南省に輸送するときは、陸軍の保利大厦(パオリータイシャ)が、また、日本の瀬戸内海より大きい長江(揚子江)
の河口(橋が架かっていない)を渡って輸送するときは海利大厦(ハイリータイシャ)が、海軍の輸送船を使って物資を運びます。特に海外に輸出する際は
「外交権」さえ持ちます。総合商社と言うより「一つの国家」です。
≪金儲けと言う不純な動機で入隊する兵士たち≫
2大総合商社で、巨利を貪りたい為に、入隊し、商社に天下れない「通信隊」に配属された兵士は愚痴のオンパレードです。
宇「釣魚島(尖閣諸島)で、日中戦争が起きたらどうしますか?」
幹部「冗談じゃない、あんな無人島で、戦争なんか起こしてほしくない、我々が儲かるわけではないし、こんなことで命を落としたくない。
私は、日中戦争が始まったら除隊しようと思っている。私と同じ考えを持つ人は多数いますよ。
≪日米中の軍事力を現実的にみる軍幹部と習近平への不信≫
幹部「習近平は、軍の経験が無いから、何もわかっていない。日本やアメリカと戦って勝てると本気で思っているのか?
日米と戦って戦意を失わない、「気合」の入った兵士がいないから、勝てるはずがない。」
≪人民解放軍は、国防軍ではない、共産党の私兵=軍閥である≫
【人民解放軍の定義】
★国家・国民ではなく、「共産党を守ることが「絶対使命」の「私的軍隊」=「軍閥」である。
人民解放軍の義務には、「国家」と「中国国民」を守る義務は一切ありません。
★逆に、国家主席から、「何省の住民10万人をすべて殺せ」と命じられたら、逆らえず、躊躇なく殺戮するしかありません。
それが、顕著に現れたのが、1989年、民主化運動家を冷酷無残に殺戮した有名な「天安門事件」です。
≪中国国民を躊躇なく殺せるようにする人民解放軍の人事配置≫
①入隊すると、兵営(新兵寮)に入れられますが、同室の新兵は、必ず出身省の異なる人間同士にします。
例えば広東省出身の新兵は、決して同郷の新兵と同室になることは無いのです。
②自分の故郷の軍区に配属、又は、転属することは絶対にない。
例えば、広東省で、過激な反政府デモが起き、5万人の暴徒が発生したとしましょう。この広東省の兵士には、親戚もいて
同じ広東語を話す、同郷人たちを無慈悲に殺害することができないでしょう。
その為、反政府暴動を武力鎮圧するのに、躊躇させない為、例えば広東省には、縁もゆかりもない甘粛省出身の兵士を駐在させるのです。
≪共産党体制になっても貫かれる「軍閥」の歴史≫
清朝末期以降、中華帝国には「国防軍」と言うのは有りませんでした。
衰えた清朝皇帝を支配したのは「軍閥」の頭目でした。あの西大后ですら、当時の実力者で自前の軍閥を持っていた李鴻章を意のままに操ることはできませんでした。
「軍閥」=私的軍隊と覚えてください。
李鴻章とは、清朝の実力者で、日本と日清戦争を戦った相手でした。
李は、自前の財産で、兵士を募集し、武器を揃えました。これを「北洋軍閥」と言います。
ですから、日本が輝かしい勝利を収めた日清戦争は、実は「北洋軍閥」が相手でした。
清朝末期から、清朝滅亡、日中戦争から終戦まで、日本陸軍が大陸で戦った相手は、蒋介石の国民党軍も含めて全て「軍閥」でした。
そして、中国軍より兵員の少ない、「支那派遣軍」は数多くの戦闘で、一度も負けずに終戦を迎えたのでした。
そして、国共内戦で毛沢東が中国全土を支配してきた今も、共産党幹部を守る人民解放軍は「軍閥」でしかありません。
「自分の家族や故郷を命がけで守る」と言う気迫の無い、軍隊が本当に強いでしょうか?
「金儲け」が動機で入隊した兵隊たちが、「利益の無い戦争」で命がけで戦うでしょうか?
★核を持っているとはいえ、「発射ボタン」を推すのは、各爆弾投下後の国際世論の反発を考えるとそう簡単に推せません。
≪台湾海峡問題≫
親日国台湾、在日台湾人の方。台湾本土の方。皆口をそろえて「台湾海峡」を挟んだ、中国福建省には、照準を絞った2千発のミサイルが有ると
心配していますが、宮崎正弘氏が、調査した結果、この2千発のミサイルは皆「型」にセメントを流し込んだ「見世物」だそうです。
≪結論≫
そもそも入隊の動機が「金儲け」で、日米と戦争になったら、口々に「除隊する」と言い切る軍幹部達。「国も国民」も守る意志の無い軍隊。
人民解放軍は「習近平打倒クーデター」は起こせても、対日戦争はできない「赤い張子の虎」ではないでしょうか?
続く
*写真は日清戦争の軍閥の李鴻章
◆伏見顕正が政治経済を語ります。
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