伏見様及び読者の皆様:
片目のダヤンです。昨晩、衛星放送でBBCが編集したロンドン・ランカスターハウスで執り行われたイギリス首相テレーザ・メイ
(典型的なイギリス女性のインテリな顔付きの方)の所信表明演説を観ました。
私の率直な感想は、強硬なEU離脱(ハード・ブレグジット)や難民阻止(ノー・エントリー・レフジー)を主張しても、以下二つの疑問点が湧きました。
幾ら、メイ首相がイギリス製品を今後、全世界で販売(売り尽す)すると、熱弁をふるっても。
① 「この国は何をもってこれからメシを喰って行くのか?」
② 「EU離脱後の後始末はどのように考えているのか?」
そこで、この二つを命題として捉えて考えることにします。先ず、「この国は何をもってこれからメシを喰って行くのか?」に対して。
嘗て、世界の「七つの海」を諜報機関と共に支配した造船産業は中国と韓国に移行し、その礎となった鉄鋼産業はインドとブラジルへ移転。
また、その基幹産業である海運業は、風前の灯火。
もはや、国際競争力のある海運会社は、イギリスに存在しない。アメリカもそうだけど。
ちなみに、私がサラリーマンになった1980年代半ば、邦船各社の「ロンドン支店長」のポストは、社長への最短距離と称された。これも風前の灯火。
また、たのみの綱である銀行保険金融業も2年後の2019年春にEU離脱手続きが完了すれば、
確実にロンドン・シティーからの一斉脱出が予想される。これが「バングジット」(Bank + Exit)と称されるかも。
ブレグジットは、(Britain + Exit)の複合合成名詞。そうすると、潜在的競争力のある業種は、イギリスに一つしかないことが判る。
グラクソーを始め、製薬産業でしょ。そして、このクスリ屋とナチスドイツの細菌部隊(日本では731の石井部隊が該当)、
試験管ベビー、遺伝子組み換えのヤギのドーリー、ダヴィドック研究所とイギリス諜報機関は、「一本の線」で繋がっているのが私の分析。
これは時期が熟したら、発表します。
なお、日本とイギリスの輸入貿易統計を見てもその4割強は、「薬品」が占めている。
ここでの纏めは、EU離脱完了後、イギリス製品は、全体貿易額の50㌫強を占めるEU市場で確実に競争力を失ってしまうこと。
何故なら、相手国側で関税や輸入消費税が発生するのは、必須だから。また、アメリカとの貿易額は、全体の25㌫以下に満たない。
従って、トランプ政権とメイ政権の間で、「二国間特別貿易協定」を締結しても焼け石に水。
なんか、小和田恒とスイス金融機関との交渉を想起させる意味のない約束事。
次の命題「EU離脱後の後始末はどのように考えているのか?」に関して。これは、民間企業を例にすると判り易い。
今年の9月以降、邦船三社の海上コンテナ輸送部門は統合され、持ち株会社と新会社が設立される。
その三社とは、川崎汽船、日本郵船と商船三井。ここで、現状の各社各々が全世界で「千人」前後がそのコンテナ部門を運営していると、仮定する。
実際はその数倍以上の人員が全世界で従事しているけど。
そうすると、企業再編と企業統合の中でネックになるのが、「人員整理」と「資産売却」の二つ難問。
市場規模の拡大・拡張も見込めない状況下で、ソノママ現状の人員や資産を新会社に移行させることは、勉強がデキナイ小学生でもしないこと。
だから、リストラや特別退職金や新たな枠組み作りが必要になってくる。
従業員の家族を入れると、千人は「三千人強」に膨らみ、三社の合計は三千人ではなく、「九千人強」に膨張。
これに取引・納入業者(海運業ではガントレークレーンのオペレーターから船舶のメンテナンス業者やコンテナの修繕業者等までを含む)を加えると、
三社合計で軽く、「二万人」を超えてしまう。端的に言うと、二万人のうち「一万五千人前後」の人間は、淘汰されてしまう。
即ち、職業と収入を同時に失ってしまうから。
これを現在、EUに加盟しているイギリス政府の役人や職員に当て嵌めると、もっと劇的な数字が見えてくる。
ベルギー・ブリュッセルのEU本部に駐在やEU関連でヨーロッパ各国に派遣している職員数は合計で、約三千五百人。
その家族を入れると、その三倍の約一万五百人。
それに、EU傘下の裁判所やイギリス国内でEUの業務に関与している人間を加えると、更に二千人アップ。
家族を入れると、約六千人の増強。合計で、一万六千五百人前後の人間の職業と収入が「淘汰」されるのではなく、
2年後の2019年春をもって「完全消滅」する。ここでの纏めは、想像を遙かに超えた「EU失業不況」がイギリスを2年以内に確実に直撃すること。
レッド・ゼッペリンの名曲「グット・タイムズ、バッド・タイムズ」(好景気、不景気)がリバイバル・ヒットしたりして?
最後に全体の纏めを。私は歯切れの良いイギリス発音(前任者のデイヴィット・キャメロン同様、この方も上流階級の出身ですネ)
の演説を拝聴している際に脳裏に過ったこと。言語専門家によると、アメリカ英語と違ってイギリス英語は、その「発音」と「抑揚」で出身階級や教育環境が判るとか。
これは、昨年のマレーシア出張時、邂逅した同国のテイラー大学で比較言語学の教鞭を執るイギリス人の女性教授が教えてくれた。
一つ目は、EU離脱で莫大な損失が予想されるカネを自国のイギリス国債の増刷等で、補填するのではなく、自国の資産売却で賄うこと。
即ち、アメリカ国債の売却を充てること。だから、この売却が2019年春までに行われる可能性がある。
そのアメリカ国債うち、短期国債或いは長期国債のどちらかを売却するか否かは、判らないけど。
これが履行された時点で、「超ドル安」「超ポンド高」「超円高」「超日経株価安」「NYダウ大幅安」が国際金融マーケットで生じることは、必然。
なお、現在アメリカ国債を保有している順位は、中国・日本・サウジアラビア・イギリスで、全体の70㌫弱を占める。
ジョージ・ソロスやジム・ロジャースのハリケーン級の投資家は、これを既に予測しているかしら?
二つ目は、今までドラ息子のアメリカが提唱した世界の紛争や戦争に渋々、追従してきた多少品格のある親のイギリスだけど。
今後、イギリスは積極的に世界の紛争等に顔を出して行く可能性があるのが私の考え。
そう言えば、ジョン・レノンの出演・監督作品で、ありました。「どうやって、私は戦争に勝ったのか?」(How I won the war?) 内容は超フツー。
サラリーマン時代、イギリス大使館のパーティーで会ったその大使館職員の言葉を未だ覚えている。
「私たちの戦争の賜物は阿片戦争から来ている」ここで、賜物とは神から頂いたモノで、苦しい試練の後に得た良い結果のこと。
私には、過去の「成功体験」にしか思えないけど。(Our gift of the war comes from Opium War)もう一度、中国と戦争をしてくれないかしら?
その時は喜んで、武器・弾薬・食糧等の海上輸送担当をさせて頂きます。ウチの飼い猫と一緒に。では、片目のダヤン
*写真は英国のテリーザ・メイ首相
◆この記事に興味を持たれた方はクリックをお願いします!
◆冷静に政治経済を語ります
◆占い専門ブログです
【一般読者様へ】
鑑定の御相談は下記メアドまでご連絡ください。 尚、携帯電話からメールする人は必ずドメイン設定を解除してください。
harunohi807@gmail.com