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Channel: 伏見顕正(あきまさ)の「時を斬るブログ」
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【ダヤン氏寄稿】音楽評論家萩原健太への異論と反論

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伏見様及び読者の皆様:

昨日の音楽評論家・萩原健太氏への異論と反論を。そして、昨日は一部しか触れなかった彼の寄稿内容。

『ボブ・ディランの歌詞は難解だ。特に英語は不得手だという人が多い日本人にとって、彼の歌詞に正対することはある種の苦行。

数十年、彼の音楽を愛し続けてきたぼくも、新作が出るたび辞書片手に格闘し、

それでも意味がわからず英語圏の友人に質問したことが幾度となくある。あげく友人からの返答は

「いや、俺にもわからない」なのだから、手に負えない』

以上最初から二段目までを引用。朝日新聞10月17日付朝刊33面

私の率直な感想は、

① ディランの歌詞を訳することは、非英語圏の日本人にとっても苦行ではない

② 辞書片手、恐らく英和辞典だったハズ。従って、英英辞典を使っていれば、ラクに意味が把握できた

③ ディランの歌詞は、旧約聖書を読むと判り易い

④ 詩を理解するには、あらゆる詩を分析・解明した著作―イギリスの詩人「ジェイムズ・フェントン」が執筆した

「詩の技巧」(アルス・ポエティカ)を読めばいい。これは、ローマ時代の有名な詩人であった「ホラティウス」の詩論に因んでいる。

⑤ 英語圏の友人って、どんなレヴェルの方だったの?に尽きる。

そして、始めから理由を説明するのではなく、最後の⑤から。これは、事実や真実を探究する者が「専門家」ではなく、

只の「ド素人」に質問したからに過ぎない。例えば、私が嘗て在籍した海運業界。

親しくなったお客さんから、よくあった質問。「XXXさん(私の名前)、何故、船って浮かんでいるんでしょうか?」

私が、逆に質問主に今まで何人に訊いたのと、尋ねると。こんな回答-乙仲さんからフォワーダーの方まで沢山の人に訊きましたけど、

「鉄の塊だけど、中に空間があるから浮いている。これ、本当でしょうか?」

「全く違うよ、ソレ。中のバラスト水によって、重力比重が均衡に保たれている。

だから、お茶碗の中に水を入れたのと・入れなかったのでは、耐久時間も変わってくるし、

その水を入れたお茶碗にモーターを付けて海上を運行させたのが、船」と、私が説明すると、

お客さんの顔が瞬時に興奮状態に変わって、一言。

「やっぱり、優秀な人しか船会社に入れないことが判りました」とか。当たり前田のクラッカーかも?

そして、これを萩原健太の事例に当て嵌めると、大学で「ラテン語学」や「聖書学」更には、

「英米文学」さえも専攻していなかった英語圏の友人に質問しても、前記の通り。

その英語圏の友人は、ディランの歌詞の意味が判るハズがない。だから、訊く相手が完全に間違っていた可能性大。

英語では、(You asked the wrong person, fatally)

次のイギリスの詩人、ジェイムズ・フェントン。これは、1990年代にイギリスのインテリ高級紙の

「インディペンデント」日曜版の文芸欄に掲載されていた。私は彼の著作本ではなく、

この連載記事で彼を知った。恐らく、著作本は原書で出版されているハズ。「詩の技巧」

(アルス・ポエティカ)なお、翻訳本の出版は判らない。

次の旧約聖書。大部分の方は、以下の日本語を読むと、それなりに意味が掴めるし、

なんとなく、執筆者の意図が読み取れると、思います。

『太陽の下、再び私は見た。足の速い者が競争に、強い者が戦に必ずとも勝つとはいえない。

知恵があるといってもパンにありつくのでも、聡明だからといって富を得るのでも、

知恵があるといっても好意をもらえるものではない。時と機会は誰にでも臨むが、人間がその時を知らないだけだ。

魚が運悪く網にかかったり、鳥が罠にかかったりするように、人間も突然不運に見舞われ、罠にかかる』コヘレトへの言葉9章11~12節

一方、英語になると、解釈・解読がかなり、厄介になる。

(I returned, and saw under the sun, that is race is not to the swift,

nor the battle to the strong, neither yet bread to wise, nor yet riches to men of understanding,

nor yet favor to men of skill; but times chance happeneth to them all.

For men also knoweth not his time; as the fishes that are taken in an evil net,

and the birds are caught in the snare; so are the sons of snared in an evil time,

when it fallenth suddenly upon them)

その理由は、

① 文章が暗喩と比喩に満ちている

② 文章が倒置化されている

③ 古語の動詞化である(TH)を用いて押韻をしている

④ 接続詞・副詞(nor)(yet)(neither)の高度な使い方のところが例示列挙できる。

では、非英語圏の日本人にとって、ディラン(ジィンマーマン)の歌詞を訳すことは、本当に苦行なのか?

私はそうは思わない。それは、英語を日本語に置き換えて、具現化・イメージ化するから苦行であって、

英語を英語のママで理解すれば、苦行にもならない。只の楽しい知的空間と知的時間を解読作業と過ごすだけと、解釈すればよい。

だから、上記の「コヘレトへの言葉9章11~12節」を私が日本語と英語の「一文」に要訳すると、こんな感じ。

日本語:「生きている間は、ワナに注意しよう!」

英語:(Watch your back for trap while you remain alive!/Be careful for snare while you are having life!)

こんだけ。だから、決して苦行でもなんでもない。それから、最後に英語の勉強を続けている方へ。

今日から、英和辞典や和英辞典は処分して、英英辞典のみを使用して頂きたい。

何故なら、英語を日本語で覚えてしまうから。これじゃ、何時まで経っても英語を話せないし・聞けないし・読めないし・書けないから。

でも、以下の文章を読んで、単語が直ぐに「閃いた」方は、並行して使って下さい。英語でメシが喰えるかもしれないから。

1. Vertebrate cold-blood animal living in water.

2. Feathered vertebrate with two wings and two feet.

3. Baked dough of flour usually leavened with yeast.

4. Trap, trick, temptation, especially for birds and animals.

5. Wicked or harmful as adjective. Wickedness as noun.

では、片目のダヤン。

次回は、先週読み返した旧約聖書の「ダニエル書」や新約聖書の「ヨハネの黙示録」のような世紀末的な出来事は、

いつ起こるのかを綴ります。来年ではないけど、左程遠い未来でもないのが、私の予測と感想。

やっぱり、来るんじゃない。第三次世界大戦がこの惑星の3ヶ所以上で同時勃発。

解答:1-(fish)2-(bird)3-(bread)4-(snare)5-(evil)

追記:昨日のアメリカ東部時間でも、ディラン(ジィンマーマン)からノーベル文学賞事務局に連絡がないとか。

これは、私自身の強い思いだけど、同事務局に「辞退の申し入れ」をして頂きたい。

それが反体制のヒーローだった彼の紛れもない論理哲学。

それで、栄えある今回のノーベル文学賞(Nobel Prize in Literature)は、同じ血を引くキエフ生まれ

(ディランの両親と同じ)のユダヤ人であった故アイリーン・ネミロフスキー女史に譲って頂きたい。

なお、この天才女流作家の作品を明日の「でれでれ草の英語塾」で詳しく述べています。

番宣ならぬ「ブロ宣」の片目のダヤンでした。

*写真は音楽評論家の萩原健太

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